スーマイタイムス連載
「タイポップスのすすめ!」

2003.12月
(第16号)
〜ルークトゥン・モーラムの歌手を語る〜
先月はルークトゥン・モーラムのさわりについて少し説明しましたが、今月は歌手について解説したいと思います。まずルークトゥンですが、絶対に知っておかなければならない歌手といったらプムプアン・ドゥアンチャンでしょう。タイではルークトゥンの女王と呼ばれ、彼女の歌手活動は4〜5年と非常に短かく、また若くして亡くなってしまったのですが、亡き後の影響力はすごく後に様々な歌手がプムプアンの曲をカバーしています。亡くなって今年で12年経っていますが、11月には人気女性歌手のマイがプムプアンのカバーアルバムを発売して非常に話題になっているように、まだまだその存在感は絶大です。将来もプムプアンの名前は忘れ去れることはないでしょう。さて最近流行の歌手というと、まずはPAMELA(パメラー)。アイドル歌手でしたがルークトゥンに転向し、鳴り物入りでだしたファーストアルバム『ゴムナーヨームアーイ』がそこそこのヒットを飛ばし、続く2作目の『ボーデーンサレーンジャイ』で大ブレイクし、現在ニューアルバム『パーチェッナーラージャイ』は好セールスを記録しています。彼女はアイドルのようなルックスながらそれなりの歌唱力、曲のよさが受けてますので、今後も息の長い歌手になりそうです。次にニューアルバム『ルークノックラァンラバム』を発売したばかりのルークノック・スパポーン。別名クンラムヤイといえばタイ人なら誰でも知っています。ファーストアルバムはメム・メーシニーとのカップリングアルバムでしたが、1曲目に収録された「クンラムヤイ」が2002年空前の大ヒットとなりました。彼女はその後大ヒットしたルークトゥン歌手勢揃いの映画『モンプレーンルークトゥンFM』の中では、市場でラムヤイを売る売り子役として出演しています。次に男性歌手ですがダントツの売上と人気を誇るのがGOT(ゴット・チャクラパン・アーブコンブリー)アメリカ人ハーフの超美男子顔と甘い歌声で、タイでも氷川きよしのような追っかけ女性がいるほどの人気があります。最新アルバム『ジャルンジャルン』でもお得意のゴット節を聞くことができ、ステージの豪華さも文句なしのトップ歌手です。ゴットとは対照的にタイのバタ臭さを全面に押し出したルックスと日本の演歌に通じる小節を持つのがMIKE PIROMPORN(マイク・ピロムポーン)。歌はテンポのいい曲も少なからずありますが、なんといってもしみじみと歌い上げる哀愁漂うルークトゥンが売りの歌手です。次にモーラムですが、正統派モーラムの代表歌手といえばBANYEN(バンイェン・ラーケン)。プムプアンがルークトゥンの女王とすると、バンイェンはさしずめモーラムの女王と言えるでしょう。歌手歴ウン十年の超ベテランです。発売されたアルバムは数え切れないほどですし、ライブVCDやリケー(タイの伝統的ミュージカルのジャンルの一つ)のVCDも多くの種類があり、リケーに関しても自らのカナ(楽団)を持っています。次に日本人のタイミュージックファンでもっとも有名なモーラム歌手かもしれないJINTARA(チンタラー・プーンラープ)は別の意味で有名になった歌手です。以前コラムでも書きましたが昨年のトンチャイとの競演アルバム『チュッラップケーク』でモーラム歌手としての知名度を一気に上げました。30歳を過ぎ、最近は大人の色気全開で人気を不動なものにしています。タイではバンイェンに次ぐ正統派モーラムの一人と言えます。次にモーラムアイドルというジャンルからMAENGPOR(メンポー)を挙げておきます。顔、スタイルともアイドルそのものですが、かなりルークトゥンに近いポップなノリのモーラムを聞かせてくれます。初めてモーラムを聞く方にはこのぐらいから入られた方が退屈しないかもしれません。(ただし正統派モーラムファンには不評ですが)男性歌手ではROCK SADERD(ロックサドゥー)がなんといってもお勧め!このバンドの面白いのは男性と女性混合のユニットというところと、かなりアップテンポな曲をイサーン語ばりばりで歌うところでしょうか。現在男性歌手のピーサドゥーが脱退しGRAMMYに移籍してしまったのが寂しいところですが、名曲「ボーラックシーダム」や「サオサムノーイ」は是非一度聞いてみる価値はあると思います。タイが好きな方なら自然に体が動いてしまうことでしょう。というわけで紙面の関係でほとんどさわりしか紹介できませんでしたが、興味を持った方は日本語で書いているルークトゥン・モーラムの紹介HPがありますのでそちらを参照してみて下さい。それでは来年またこの紙面でお会いしましょう!
2003.11月
(第15号)
〜ルークトゥン・モーラムのシーズンがやって来た!〜
タイポップスはここ2,3年の間に随分聞かれる日本人の方が増えてきましたが、まだまだルークトゥン・モーラムに関しては情報が少ないため、有名な歌手の名前ぐらいは知っていても、聞いたことがないという方が多いのがこのジャンルかと思います。そんなわけで今回はルークトゥン・モーラムを簡単にご紹介いたします。まずルークトゥンとモーラムってどう違うの?と思われている方が多いと思うのですが、ルークトゥンはルーククルン(60年代のタイ歌謡曲)といういわゆる「都会の歌」とは対照的に派生したもので、「田舎者の歌」と言われています。ただタイの標準語と呼ばれる中部タイ語で歌われているのが特徴です。一方モーラムはといえばモー(達人、師範)ラム(踊るという意味もありますが、本来は詩に抑揚をつけて語る芸能を表します)から生まれた一種のタイ民謡といえます。なおタイ語でプレーン(歌)という言葉を文頭につけてプレーンルークトゥンとかプレーンプアチーウィットとかいうのですが、モーラムに限ってはプレーンモーラムとは言いません。というわけでモーラムは民謡のような歌謡曲とはほど遠い曲調から始まったのですが、時代の流れとともにロックやポップス、そしてルークトゥンのエッセンスを取り入れるようになり、最近はやっているモーラムはほとんどルークトゥンの曲調とかわらなくなってきているのが現状です。(というわけで最近ではルークトゥンモーラムと一色単に言われるケースが多いです)そんな中でも異なる点はタイ東北部(イサーン)の方言で歌われることと、曲の中に語りのパートが入ること(例外あり)と言えます。ある意味ラップやヒップホップに通じるものがあると感じるかもしれません。
で、話は変わりルークトゥン・モーラムがもっとも盛り上がるシーズンというのが雨期明けの11月からなのは是非知っておいてほしいところ。というのもタイの有名な祭りのひとつ、ロイクラトーン(日本の灯籠流しと同じような祭りです)の前後に続々とニューアルバムやベストアルバムがリリースされ、バンコクや地方の各所でコンサートが催されるからです。この時期タイに旅行に行かれる機会がある方は、是非道の広告を注意深く見てみてください。一際目立つ蛍光色のタイ語で書かれている立て看板はルークトゥン・モーラムのコンサート告知がほとんどです。タイ語が読めない方だとちょっと厳しいですが、出演歌手、日程、場所等が詳しく記載されています。ではバンコクのどこでコンサートが見れるの?と思われた方のために主要ルークトゥン・モーラムの会場をご紹介していきましょう。まずラマ9世通りのパラムカーオプラサー(PRA RAMA 9 PLAZA)はもっとも有名なカーフェーのひとつ。続いてラチャダーピセーク通りにあるクルントンコンプレックス(KRUNGTON COMPLEX)はタロック(タイのコメディー)、ルークトゥン・モーラムのレベルには定評があります。この2店は食事をしながらショーを見て、皆でわいわい楽しみたい方に最適!その他ラマ3世通りやプラカノンあたりでも同じようにコンサートが行われています。そんなわけで次月はこれは押さえておきたい!ルークトゥン・モーラム歌手の特集をやろうと思いますのでお楽しみに!
2003.10月
(第14号)
〜タイミュージック・レーベルを極めてみよう!〜
タイミュージックを聞くようになった方でもなかなか知らないのが、歌手が所属しているレーベルかと思います。そんなの知っていて何か意味あるの?と言われそうですが、例えばファーストアルバムを発表した新人歌手がどのレーベルに所属しているかでおおよそのジャンルが見えてくるので、ちょっと知っておくと便利です。ディープなタイポップス通になりたい方なら覚えておいて損はないかもしれませんよ。というわけでタイ最大手のGRAMMY(グランミー)社に的を絞って解説したいと思います。とはいえこれだけ分派したレーベルがあるのはGRAMMYだけですのであしからず。(RSやSONY BEC-TEROには細かいレーベル分けはありません。)まず売れっ子女性歌手が所属するのがGRAMMY GRAND。このレーベルにはAMP(エーム)、MAI(マイ)、MARSHA(マーシャー)、NICOLE(ニコル)、NAT MYRIA(ナットミリア)、AU HARUTAI(ウーハルタイ)、TONG(トーン)等がいます。このメンバーと言えばそう、伝説のユニット「SEVEN」のメンバーですね。次にGREEN BEANS。国民的歌手のトンチャイをはじめ、元祖男性アイドルのMOS、大人気の女性ユニットZAZA(サーサー)、癒し系歌手のANN(エーン)とSIRASAK(シラサック)、BAKERYから電撃移籍したJOEY BOY等バラエティーに富んでいます。同じくバラエティーに富んだ大所帯のレーベルと言えばMALEEWAN、NANTIDA、PANATDA等の実力派女性歌手をはじめGOT(ゴット)、マイクピロムポン、ワイポット、PII SADERD(ピーサドゥー)、SALA(サラー)等のルークトゥン・モーラム陣が所属するGRAMMY GOLD。次に主にライブで力がある歌手が多いのが特徴なのがGENIE RECORD。ヒップホップ歌手DA JIM(ダジム)、今年来日したPALAPHOL(パラポン)、ニューアルバムが待ち遠しいタイタナウット、バンドとして定評があるBUDOKAN、PARADOX、AB NORMAL、KALA等。そして通好みの歌手が多いのがGIRAFFE RECORDS。ナカリンキンサック、CHUD(チャッド)、KOH(ゴー)、TAXI、SYAM等。最近発売されたセカンドアルバムが絶好調なPALMY(パーミー)やMR.TEAMがいるのがRPG。ENCOREは主に踊れる系が多く、CHINA DOLLS、ANNITA、YAYA YING、DRAGON 5、TAKRA等。MUSIC CREAMは実力派女性歌手のBEAU(ボー)をはじめ、日本でもファンが多いイギリスハーフのKAT、カルピコ(タイのカルピス)の宣伝でお馴染みのBUA CHOMPOO(ブアチョムプー)、NATALIE、DA-OKE(ダオケ)等の女性歌手が主に所属。今年日本デビューが決まったBRIOHNY(ブライオニー)、MINT 、B NAMTHIP(ビーナムティップ)等の美形歌手とBANGKAEW(バンケーウ)、HEART DOGなど若手バンドが所属するのが老舗レーベルMAKERHEAD。そしてロックファンにはおなじみMORE MUSIC。自らレーベルの社長であるアッサニーの兄弟バンドASANEE-WASAN(アッサニーワサン)、福岡来日が決定したBLACKHEAD、タイハードロックの一番人気SILLY FOOLS、今後の活躍が期待されるSIBLOR(シブロー)等。UP-Gは今年大ブレイクのCLASH、LEO PUT(リオプット)、POWER PAT等、MADKATZはニコルと結婚したJIRASAK(ジラサック)、UM AMARIN(アム・アマリン)等、MUSIC BUGSはLABANOON(ラバヌーン)、BODYSLAM、BIG ASS等のロック系歌手が主に所属しています。最後にVCDの場合、基本的にはGRAMMY-BIGの配給になります。他にGENERAL GEN、SAWASDEE RECORDS、MUSIC ARMYなどのレーベルがありますが紙面の関係でここまでとします。GRAMMYではレーベル間の移籍がたまにありますので、今回掲載した歌手が違うレーベルで発売ということもあります。今どの歌手をプロモーションしたいのか、レーベルを知ることでタイミュージックの状況がわかったりするので、これからはレーベルもチェックしてみると面白いですよ!
2003.9月
(第13号)
〜バラードがうまい男性歌手特集〜
今回はバラードがうまい男性歌手特集として、個人的に好きな歌手をいくつか取り上げて解説したいと思います。タイではポップスでもロックでもかならずといっていいほどアルバムの中でバラードが歌われ、日本のアルバムと比べると圧倒的にバラードが収録されているケースが多いと感じます。歌唱力が曲の善し悪しを大きく決定づけるため、歌手にとってバラードでリスナーの心をいかにつかむかが大変重要ですね。タイ人に聞いてもみんなが知っている曲であとあとまで印象に残る曲となると、その曲は非常に少なくなります。というわけで私がとくにこれは聴くべし!という歌手(曲)をご紹介していきましょう。まずは国民的歌手、トンチャイ。昨年発売したアルバム『CHUD RUB KAEK』はタイ歌謡曲史上最大のヒットとなり、競演したKAT,NAT,チンタラーもその影響でソロアルバムが好調な売り上げを見せていますが、ポップな曲もさることながらバラードもかなり完成度が高いので是非昔のアルバムも聞いて欲しいです。「ターンファイガオ」「ヤーハイクライ」がお勧め(ちょっと古いですが、、)。同じくGRAMMYロック界の大御所、アッサニーワサン。日本では名前は知っていてもまだまだアルバムを聞いたことがない人は多いですが、非常に心に残るバラードを数多くだしています。お勧めは「ラックターサムー」「ヤークダイジンワーラッカン」「シッコーンター」など。そして今年代々木で行われたタイフードフェスティバル出演者の一人、パラポン。彼の歌唱力はGRAMMY所属歌手の中でも非常にすばらしいものを持っています。特に歌に説得力があるのが特徴で、お勧めは「コンダァンタノーン」「ラックオーイ」。対するRSですが最近ニューアルバム『JAMES FRANCHISE』をリリースしたJAMES。なんとっても甘いマスクと長身で女性のファンが圧倒的に多く、バラードを歌わせたら彼の声に酔いしれてしまうこと請け合いです。名曲「マイアージャプリアンジャイ」「ヤーボーク」はカラオケでばっちり歌えば間違いなくタイ人も大喜びするでしょう。そしてロック特集で過去に取り上げたことがある個人的超お勧め歌手、ウ・タンナトーン。彼はRSには珍しく歌で勝負する歌手の一人で、最近は実力派女性歌手FOURTH(フォース)とユニットを組み活躍しています。「フアジャイクラダー」「カーッペンプーチャイ」「ロイフアジャイ」とこれでもかというぐらいに歌唱力の高さを表現した曲が多いです。最後に現在すでに解散して再結成が望まれるLOSO(ローソー)をご紹介しましょう。昨年末に衝撃的な解散をしてしまったLOSOですが、まだまだ日本でも多くのファンがいるのは確か。LOSOのお勧めバラードは全部!といいたくなるほどバラードは印象的な曲ばかりですね。あえて個人的に3曲選ぶとするなら「アライコヨーム」「マイトンフアンチャン」「ハイルーワーヤンラッカン」を挙げさせて頂きます。他に歌手名だけ挙げるとCLASH、DUNK(ダン)、タイタナウットあたりは押させておきたい歌手といえます。好きなタイ人女性(男性)に告白したいけどなかなかできないという方は、是非バラードを覚えて歌で告白してみてはいかが!?きっと喜ばれると思いますよ。
2003.8月
(第12号)
〜タイポップス・癒し系女性歌手特集〜
ついにスーマイタイムズでタイ音楽の記事を書いて1年になりました。第1回目よりお読み頂いた読者の皆様、および関係者の皆様にこの場を借りまして感謝いたします。私がタイ音楽のホームページを立ち上げて5年が過ぎましたが、当時ほとんど注目されず、一部のマニアの間でのみ聞かれていたタイ音楽が、様々な媒体で紹介されるようになり、近年では多少認知されるようになってきたのは嬉しい限りです。が、まだ中華ポップス等の知名度に比べると、非常にマイナーな音楽を思われているのが事実です。なんとか今後もタイ音楽を日本国内でどんどん聞いてもらえるよう宣伝していきたいと思いますので、これを読んでいる読者の方もお知り合いの方にどんどんタイ音楽の良さを伝道して下さい!さて最近日本人の方でもタイの有名な歌手を知っている方は多くなったのですが、ノリのよいポップな曲やダンス系の曲が中心でいわゆる『癒し系』と呼ばれる歌手はまだまだ知られていないと思います。ディスコ系ミュージックも楽しいですが、たまにはじっくり、ゆったり音楽を聞きたい!そんな方に今回は癒し系女性歌手について簡単に解説します。
まずタイには癒し系という確固たるジャンルが明確に存在するわけではないのですが、スローテンポの曲が多く、いわゆる聞いていてうるさくない歌手を癒し系というジャンルで区別してみました。ベテラン歌手からご紹介しますと最大手グランミーに所属するMALEEWAN(マリワン)NANTIDA(ナンティダー)の2人はどちらも10年以上のキャリアを持つタイの歌謡界を代表する実力派歌手です。マリワンは昨年11月に『SECOND LOVE』ナンティダーは今年の3月に『KHON TII SAEN DII』という最新アルバムを発表しています。どちらも10枚以上のアルバムを発売していますのでタイでジャケットを見られた方も多いと思うのですが、日本での認知度はほとんどないのが寂しいところです。この2人に続いてでてきたPANATDA(パナッダー)はアルバムを出すごとに日本での知名度も上がっており、今や癒し系女性歌手の代表格と言って間違いないでしょう。今年6月に発売された最新アルバム『BAAN MAI ROO ROY』はタイでも非常に好セールスとなっています。今作はいままでのアルバムよりちょっとポップになった感がありますが、聞いていてとても和みますよ。
そしてタイの若者の間でも非常に人気が高いANN(エーン)は日本人の中でも熱狂的ファンが多い歌手です。最新アルバム『FULLMOON DUET』はバラードに定評がある男性歌手SIRASAK(シラサック)との特別ユニットですが、非常に完成度の高いアルバムに仕上がっています。最後に歌詞の内容ですが、バラードと言えば万国共通で片想いの恋愛話が非常に多いのが特徴で、歌詞を読んでいると非常に切ない気分になることもあります。皆でワイワイ楽しむときはノリのよいタイポップスを聞くのもよし!寝る前や読書をするときなど、一人でいるときは癒し系のアルバムを聞くとリラックスできてお勧めですので、是非聞いてみてはいかが!?
2003.7月
(第11号)
〜タイのダンスユニット特集〜
タイでダンスというとタイ舞踊を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、タイにも日本のSPEEDやDA PUMPのような(ちょっと例えが古いですが)ノリのいいダンスミュージックで若者に人気のあるユニットがいっぱいあります。そして日本と同じようにタイでも様々なユニットが続々と登場しています。その中でもコレは知っておきたい!タイのダンスユニットを簡単にご紹介します。
タイのユニットは、有名な歌手が数組集まってできる即席ユニットと、はじめから新人を集めたユニットに大きく分けることができますが、ユニットは2人〜10人以上と様々です。その中でタイのジャニーズ系アイドルを揃えているRS PROMOTIONから有名な(だった)ユニットとして挙げると、まずはTHE NEXT。(最近のタイポップスファンは知らない人がほとんどでしょう。)THE NEXTは当時としては画期的な人気歌手、グループをさらにまとめたもので、美男子のJONIとLOUISが組んだ伝説のRAPTOR(ラプター)をはじめ、LIFT&OIL、JAMES、DOME、JR&VOY、RAFFY&NANCYと蒼々たる顔ぶれでした。その後もこのユニットで味をしめた?のかTHE X-VENTUREというRAPTORを除いてEARN(ウーン)やMOMAY(モーメー)の女性陣を入れ、キッズアイドルのANAN ANWARを加えた構成で再度人気を呼びました。その後もRSダンスミュージック史上最高の人気を誇ったBAZOO(バスー)など人気ユニットが続々と登場しました。対するGRAMMYですが、まずは日本でもNHKのASIA2000に出演し多少話題を呼んだJAMP。女の子4人組のユニットですが前身は8人組男女混合ユニットTEEN 8 GRADE Aにいた4人です。(ただアルバムはTEEN 8時代を入れても3枚しかでていません。)現在JAMPは解散し、各人ソロ歌手として活躍中。そして日本でも非常に人気の高いCHINA DOLLS、現在セカンドアルバム『SIAMESE KAT』が大ヒット中のKAT(カタリヤー)、インド風のイメージで最新アルバム『KOR TO NA KA KOR TO』が好調なYAYA YING,元JAMPのJENNIFERという踊って歌える女性歌手4組(5人)を集めたユニット、2002RATREE(ソンパンソンラートリー)が大ブレイクしました。また2002RATREEのJENNIFERを除いたメンバーに、パナソニックのCMで日本でも脚光を浴びるようになったBRIOHNY(ブライオニー)、息の長い人気アイドルユニットZAZAとBUBBLE GIRLS、キッズ系からNATALIE、LUUKHIN、男性陣から元祖踊れるアイドルMOS、現在の若い女性に大人気のDRAGON5(ダコンハ−)、元BAKERY MUSICの人気ヒップホップ歌手JOEY BOY、そしてなぜかロックバンドのボーカルPOWER PATというメンバー構成のユニットCHEERが登場し、爆発的にヒットしました。昨年はメンバーを若干いれかえてCHEER2というユニットをだしましたが、こちらは今ひとつ盛り上がりませんでしたね。とうわけで紙面の関係で本当に少ししかご紹介できなかったことをお詫び致します。なお前号で書いたのですが、ユニットといえばやはりライブコンサートが最高におもしろいです!最近では大きなコンサートはまずかならずといっていいほどライブVCDやDVDが発売されますので、当時のライブの雰囲気を味わうことができます。ユニットものはCDを聞くのもいいですが、やはりライブコンサートでの観客とのやり取りがおもしろいですね。というわけで、今回はダンス系ユニットにスポットをあててみましたが、アイドルユニット、ロックユニット、ポップスユニット、そして演歌ユニットとすべてのジャンルでユニットがいろいろありますので興味のあるジャンルから聞いて、見てみるのがいいかもしれませんね。それではまた次号をお楽しみに!
2003.6月
(第10号)
〜タイの歌手はライブがおもしろい!〜
タイミュージックファンの皆様こんにちは!前回、前々回とタイのカラオケ事情について触れてみましたが、今回はタイの歌手のライブについて簡単にご説明しましょう。5月に行われたタイフードフェスティバルで初めてタイの歌手のライブをご覧になった方も多いと思いますが、歌手の飾りげのないステージに魅了された方から当店宛に、タイの歌手のライブはどこで見れるのかという問い合わせがかなりありました。日本と同じようにタイでもライブは盛んに行われているのですが、大きく異なるところはライブの公演日時が直前にならないとなかなか決まらないというところ。(このあたりがタイらしいといえばタイらしいですが)そのためなかなか情報が得られないというのがネックだったのです、が最近はインターネットの発達によってライブ情報が日本語で提供されるサイトがいくつかでてきています。その中でもライブ情報を得るのに一番のお勧めサイトがThai Popper's Paradise(http://thaipoppers.com/)。管理者は日本在住の日本人ながらその情報量はタイ人でもびっくりするぐらいすごいの一言!歌手のライブ情報はもちろん、最新タイミュージックニュースやタイの歌手の直接インタビュー等盛りだくさんの内容ですので、タイミュージックファンなら是非とも押さえておきたいサイトと言えます。ただ初心者の方ですとやはりライブ会場名がわかってもそれがどのような種類のライブ会場かはなかなかわからないと思いますので、大まかに種類を分けてみましょう。タイのライブは日本武道館のようなコンサートクラス、大型ディスコでのディスコライブ、ロンビア(いわゆるビアホール。ただし日本と違い客層はお金持ちが多く、店は非常に豪華です)と呼ばれるレストランタイプ、野外会場や特設会場に大きく分けることができます。その中でも日本人がタイに旅行ついでにライブも見たい!という時に行けるライブはディスコライブとロンビアかと思います。この2つはどちらもバンコク市内のラチャダーというエリアにあり(もちろん他のエリアにも多くのディスコやロンビアがあるのですが、一番行きやすいエリアとしてラチャダーをお勧めします)、代表的な店としてHOLLYWOOD(ディスコ)、BREW PAVILLION(ロンビア)があります。どちらも週に1回は大抵タイの歌手のライブが行われていますので、気軽にライブが楽しめることでしょう。日本のように事前にチケットを購入する必要はほとんどありませんし、よほど大きなライブでない限りチケット自体当日でなければ販売されませんので心配無用!当日の夜に行けば普通に入ることができます。またバンコク以外の地方でライブが見たい場合、地元のディスコや野外広場が会場になることが多いですので、行ったときに見れたらラッキーかもしれませんね。とはいえ、なかなかタイに行けない方もいるとは思いますが、実は日本でもタイの歌手がお忍び?でライブを行うことが結構あったりします。日本でのライブ情報はタイ人が集まるタイ料理店やタイ食材店で、ライブの2週間前とかに張り紙がされますのでこまめにタイ料理店に行くか、店員となかよくなることが一番。ただしライブの開始は基本的に深夜から朝方にかけて行われますので、夜型以外の方にはお勧めしません。そんなわけで、タイの歌手のライブを見たい!と思ったらこの記事を参考にして楽しんでくださいね!
2003.5月
(第9号)
〜タイカラオケを歌おう!【2】〜
前回タイカラオケのさわりをご紹介しましたが、今回はタイカラオケを歌うことによるタイ人とのコミュニケーションとどんな歌手を歌ったら盛り上がるのかをご紹介します。私はタイに行った際はよくタイカラオケの店で歌ったりするのですが、日本人がタイのカラオケを歌うということは非常に意味があることだと思っています。いまでこそタイは日本人の観光客がもっとも訪れる国であり、タイと日本の交流もさかんに行われるようになりました。また各種マスコミが積極的にタイの様々な情報を紹介することでクリーンなイメージも定着してきています。そして同じアジア人として同じ目線でしゃべれるようになりました。しかしながら一昔前までタイに旅行に行くというのは非常に悪いイメージがあり、また東南アジアの人々に対し、日本人が一番偉いといった考え方が横行しタイ人を見下している人が非常に多かったのも事実です。(いまでも少なからずこういう考えを持った日本人はいますが、、)そんな中で私なりにタイ人とのコミュニケーションを取るのに最適な方法がカラオケだったと言えます。歌は人を楽しませ、心を和やかにする作用があります。当時タイ語がほとんどしゃべれなかった私でもタイカラオケを歌うことでタイ人とのコミュニケーションが取れたものです。音楽にはその国の文化が少なからずつまっているので、音楽を通じてタイ人の文化の一部を理解することができるのではないでしょうか。また前回お話ししたカラオケVCDの普及によってタイの主要メーカーのVCDはタイ語がわからない方でも安心?のローマ字表記が表示されますので、初心者の方でも10回ぐらい繰り返して練習すればそこそこ歌えるようになります。タイで、そして日本でタイ人と友達になりたい!と思う方は是非ともタイカラオケにチャレンジしてほしいと思います。前置きはさておきまして、それではどの歌手の曲を歌ったらタイ人が盛り上がるのかというと、これは年齢層によってばらばらなのです。よく日本人の方で最新のタイポップスをがんがん歌われる方がいますが、実はタイ人は最新のタイポップスではそんなに盛り上がりません。(ただし近年まれに見ぬスーパーヒットを飛ばしているトンチャイの「フェーンジャー」や「マータンマイ」を除きます。)ではどうせ歌うならそれなりにタイ人にも盛り上がって欲しい!と思う方も多いと思いますので、男性の方はトンチャイ、LOSO、アッサニーワサン、MOSを、女性の方にはTATA、NAT MYIRA、ニコル、チャイナドールズから覚えたら良いでしょう。初心者の域を超えた方にはRSのANAN ANWAR、VITAMIN A、PARNなどを歌えればタイ人もびっくりすること間違い無しです!そして最後にとっておき!どの年齢層にもある程度うける歌手としてロックサドゥーを取り上げたいと思います。おそらく日本人の間ではまだまだこのバンドの名前を知っている人はいないでしょう。ほとんどのタイ人と一部のコアな日本人タイ音楽ファンには有名なロックサドゥーですが、ジャンルとしてはモーラムというものに該当します。ただ本来のモーラムの枠からは大きくはみ出ており、ロックと演歌と民謡を割った非常にジャンルを説明するのが難しいバンドです。その中で代表曲はなんといっても「ボーラックシーダム(黒いリボン)」オリジナル曲はシリポンアンパイポンですが、なぜかカラオケで歌うときは、皆がロックサドゥーバージョンで歌います。その他ルークトゥンでは伝説の女性歌手、プムプアンドゥアンチャン、プアチーウィットではカラバオと各ジャンルごとにかならず歌われる歌手というのがありますので、是非カラオケに行ったらタイ人の歌っている歌手をよくチェックしてみて下さい。そしてタイ人と日本人がカラオケで文化交流できればこんなに楽しいことはないですね!
2003.4月
(第8号)
〜タイカラオケを歌おう!【1】〜
皆さん、タイのカラオケ歌ってます?え、日本人がタイのカラオケ!?と思う方もいるかもしれませんが東京や大阪のタイ人向けタイ料理店にはかならずといっていいほどタイのカラオケが歌える設備を揃えています。最近では週末になれば日本人同士が遊びに行ってタイカラオケをするすごい時代になっています。そんなわけで今回はタイのカラオケ事情を歴史を交えて説明してみましょう。そもそもカラオケという言葉は世界共通の言葉として完全に認知されてます。アジアにおいてもKARAOKE,KTV,か拉OK(【か】は上下を一文字で書くのですが漢字がでないため省略します)と書き方はかわるもののすべてカラオケです。タイでは日本と同様、カラオケ文化は結構古くからあります。初期はCDV(字幕だけでて画像が静止画のもの。現在のVCDと異なる規格)や非常に高価なレーザーディスクだったためあまり一般的ではありませんでした。女性が同伴するような水商売の店に設置されている場合が多かったため、カラオケをすることは非常に悪いイメージがあったのも事実です。その後現在の主流となっているVCD(ビデオシーディー、CDと同じサイズで音声と動画が収録できる規格)が市場に出回ることで、いっきにカラオケブームに火がつきました。そして違法ではありますがコピーも比較的簡単にできてしまうため、タイでは安価で商売が出来るカラオケ屋が爆発的に増えたと言えます。ただ店が増えたことによって、カラオケをすることが悪いというイメージから徐々に日本と同じように家族や友人達で楽しんだりと明るいイメージにかわっていったことはよかったですね。最近ではバンコクのデパートでプリクラの横に二畳ほどのスペースしかないミニカラオケボックスというが出現し、タイの若者が学校帰りに歌っていく光景をよく見ます。 日本でのタイカラオケ屋もタイとほとんど同じ時代背景にあり、当初はレーザーディスクでした。ただ日本のカラオケはあってもタイのカラオケを設置している店舗は非常に少なく、また日本人がタイカラオケを歌うという事自体皆無でした。そのため日本人がタイカラオケを歌えば、歌のうまい下手にかかわらず、店に遊びにきているタイ人に衝撃を与えたのはいうまでもありません。私もレーザーディスクのころからタイカラオケをしてますが、当時はVCDがなかったこともあり、もっぱらテープを購入しタイ語をカタカナに代えて丸暗記した記憶があります。(このころ歌っていた日本人は皆こうしてました。)いまではパソコンやDVDプレーヤーで気軽に1曲ずつ繰り返し練習できるので、本当に便利な時代になったものです。その後1999年ぐらいからタイカラオケを歌う日本人が増えてくるのですが、当時発売されていたGRAMMYのHOTVOTEシリーズやYES!シリーズというヒット曲を集めたVCDシリーズの影響と、タイへの旅行者の数が増えだした頃という時代背景があります。またこのころインターネットでタイのカラオケを紹介するHPがでてきたことも少なからずありますね。そんなわけでタイカラオケを歌う日本人のレベルは次第に上がっていくことになります。(次号に続く)
2003.3月
(第7号)
〜タイアイドル今・昔〜
日本ではモーニング娘やジャニーズが大人気ですが、タイも日本と同じようにアイドル歌手が大勢活躍しています。それも日本と同じようにユニット、ソロ、ジャニーズ系と多様なところもそっくり!そんなわけで今回はタイのアイドル歌手についてざっとご紹介します。
まず90年代を代表するアイドルといえば、当時GRAMMYに所属していたTATA YOUNG(ターターヤン)MOS(モース)。2人とも、現在もなお現役で活躍してますので名前は知っている人も多いかと思います。前回のコラムでも触れた「赤い自転車(チャカヤーンシーデーン)」では当時人気絶頂だった2人が競演したことで大変話題になりました。(TATAは現在SONY BEC-TEROで活躍中です)
対するRSは日本でいうジャニーズ路線を本格的に仕掛けた時代といえます。2人組ユニットが多かったのが最大の特徴で、RAPTOR(JONI&LOUIS),LIFT&OIL,JR-VOYとアイドルユニットを続々と誕生させました。もちろんソロ歌手もJAMES、DOME、TOUCH、NOOK、MOMAYなど個性のあるアイドルが多く登場し、アイドル系ではRSが非常に強かった時代だったといえます。また当時としては非常に画期的だった多人数アイドルユニット(THE NEXT、X-VENTURE)も人気を集めました。
その後、しばらくこれぞというアイドルが登場しませんでしたが、1998年に、日本人の間で現在もっとも知られているNICOLE(ニコル)がアルバム『KA-PO-LO CLUB』でデビュー!長らくトップアイドルに君臨したTATAにとって替わりました。タイのNICOLEファンクラブが現在でも積極的に活動をしており、日本を始め海外との交流も盛んに行われています。
その後、2人組の中華系ハーフユニットCHINA DOLLSが大ブレイク!CHINA DOLLSの特徴としては、ノリの良いメロディーと親しみやすい歌詞にあります。またタイ語とは別に中国語のみのアルバムを発売したことで、タイはもちろん中華圏の国でも人気があるというのがおもしろいところ。コンサートツアーもタイ、マレーシア、シンガポール、台湾とアジア圏をほぼカバーし、今年は韓国・日本でもコンサートが行われる予定なので要チェックです。
去年から現在にかけて活躍しているアイドルといえば、40歳を過ぎてもなお大活躍の国民的アイドル、トンチャイ(愛称バード)、何下に息の長い3人組女性アイドルユニットZAZA(サーサー)、歌手にドラマに大活躍のBUA CHOMPOO(ブア・チョムプー)、タイの女性中高生に大人気のD2B(ディートゥービー)DUNK(ダン)など挙げれば切りがないのでこの辺で。最後にファーストアルバムで終わってしまうアイドルが多い中、セカンド、サードとアルバムをだせる息の長い歌アイドルはルックスもさることながら、歌唱力と個性がやっぱり違いますね。みなさんも是非タイのアイドルに浸かってみてはいかが!?
2003.2月
(第6号)
〜タイロックが熱い!〜
今回はタイのロック歌手(バンド)について。タイでロックというとあまりピンとこない方もいるとは思いますが、日本と同じようにタイでもロックは人気のあるジャンルのひとつです。特にタイ人なら知らない人はいないLOSO(ローソー)の影響は絶大で、タイ旅行から帰国した日本人のLOSOファンが急増しています。ただLOSO以外となると以外に知られていないのがまだまだ現状ですので、これは押さえておきたい!というバンドを紹介します。
LOSO
LOSOは3人組のトリオバンドで、タイの様々なジャンルを吸収して独自のタイロックを築きました。デビューアルバム『LO SOCIETY』は当初あまり売れませんでしたが、その後名曲「チャカヤーンシーデーン(赤い自転車)」で大ブレイク。映画のタイトル&主題歌というプロモーションもありいっきにスターダムに登り詰めました。後述するアッサニーワサンの影響を非常に受けています。
アッサニーワサン
アッサニーとワサンの兄弟で組んだロックバンドで、タイではLOSOの出現前はロックといえばまずアッサニーワサンでした。デビュー当初はプアチーウィットの面影もありましたが徐々に独特なロック色を強め、着実なアルバムセールスにより、現在ではタイロック界の重鎮と言えるまでに。なおアッサニーはMORE MUSICのプロデューサーとしても有名で、LOSOやSILLY FOOLS他現在のタイロック最前線で活躍するほとんどのバンドがMORE MUSICに所属し、彼を尊敬しています。1月に久しぶりのニューアルバム『JINTANAKARN』を発売し再び活動が活発になりそうです。
SILLY FOOLS
SILLY FOOLS(タイではシリーフーと発音します)ほどタイの若者(ワイルン)に影響を与えたバンドはいないでしょう。欧米のハードロックを意識した曲作りは本当にタイのバンドなの?と言われるほど初めて聞く人に衝撃を与えてくれます。タイ全土に熱狂的ファンが多いのも特徴で、精力的なライブ活動が人気をさらに高めています。今タイでもっとも乗っているバンドではないでしょうか。
FLY
2000年、NHKで放送された日本とタイの歌手を集めたイベントASIA2000や昨年のタイフードフェスティバルに出演したのでご存じの方も多いFLY。ボーカルのID(イート)は中野サンプラザを思わせるスキンヘッドで外見は怖いですが、実は大変優しい人であり、また歌唱力はタイの歌手の中でトップクラスの実力があります。バンド自体はおしくも解散してしまいましたが、現在IDはソロ歌手として活動しています。
U TANNATORN
U TANNATORN(ウ・タンナトーン)は現在アイドルメインのRSに所属している珍しいロック歌手。日本ではまだまだ知名度の低い彼ですが、他にはない素晴らしい歌唱力と個性がありますので是非一度聞いてみてほしいところ。タイ人なら誰でも知っている「フアチャイクラダー」は彼が歌っています。
その他YNOT7,BLACKHEAD,LABANOON(ラバヌン)等もっと紹介したいロックバンドはやまほどありますが今回はこの辺で。興味を持ったらまずはご紹介した歌手から聞けば、間違いなくタイロックファンになることうけあいです!
2003.1月
(第5号)
〜2002年タイミュージック総決算!〜
新年明けましておめでとうございます。2003年もますますタイミュージックを聞かれる日本人が増えて、タイ人との交流が盛んになることを祈ります。今回は去年流行ったタイミュージックを振り返ってみましょう。
タイポップス総合部門・トンチャイ(愛称:バード)
2002年もっとも活躍した歌手といえばタイの国民的歌手、バードで決まりですね。アルバム『SMILE CLUB』『CHUD RUB KAEK』と近年まれに見ぬ大ヒット。名曲「コンマイミーフェーン」「フェーンジャー」とタイ人のハートをがっちりつかみました。この2曲は上記アルバムに1曲づつ収録されていますが、彼女がいない状態から彼女ができて想いを寄せる物語になっていて素晴らしい展開は見事。今年も何かやってくれそうです。
新人部門・パーミー(PALMY)
もう日本人でも知っている方は多いですが、初心者の方に改めて解説します。タイ人のベルギー人のハーフの彼女。ファーストアルバム『PALMY』がいきなりミリオンセラー!タイでも子供から大人まで幅広い層に支持されてます。今までにない存在感、ルックス&歌唱力ともに抜群で、今年も大いに活躍することでしょう。
ロック部門・SILLY FOOLS
いままでタイロックといえばLOSOでしたが、去年のSILLY FOOLSの活躍は大変なものでした。アルバム『JUICY』でさらに深みのあるロックを披露し、アルバムを出すごとに日本でもファンが増加中。アジアの代表的ロックバンドとしてこれからは海外にもどんどん進出して欲しいぐらい格好いい!
ルークトゥン部門・BENZ
本業は俳優ですが、あまりにも流行ったので彼女を選びました。ヒット曲「ドレミ」といえば誰でも知っている有名人。ニックネームがベンツと言います。(本名ポーンチタ・ナ・ソンクラ)「ドレミ」は2002ラートリーやトンチャイがカバーしたり、ディスコソングのリミックスとして収録されたりとバージョンが多数ありますが、原曲はアルバム『SAPAI RAI SAK DII NA』に収録されてますので、機会があれば是非聞いてみてください。
プアチーウィット部門・カラバオ
前回のトピックで触れましたが、久しぶりに活発な活躍が見られたカラバオ。昔に比べると商業主義に走っているとか、歌詞が過激でなくなったと言われますが、やっぱりカラバオサウンドは健在です。嫌いと言いながら実は大好きだったりするタイ人の方、多いです。最近元気がない方はカラバオを聞いて元気になろう!
こちらに紹介した以外にも昨年のヒットアルバムは数知れずありますがまだまだ情報が偏ってしまったので、今年はもっと幅広く様々な歌手を紹介していければと思っています。またこの歌手を紹介して欲しい等のリクエストがありましたらどんどんお手紙やメールくださいね。
2002.12月
(第4号)
〜生きるための歌・プレーンプアチーウィット〜
今回はタイでポップスほどメジャーではないですが、熱狂的なファンが多いプレーンプアチーウィト(生きるための歌)について触れたいと思います。プアチーウィットが現在のタイポップスと決定的に違うのは、歌詞にもっとも力を入れているということに尽きるでしょう。タイポップスももちろん生活に関係した歌はありますが、プアチーウィットの場合、その時々の時代背景や社会事情などを痛切に捉えたメッセージソングという意味合いが強いと言えます。プアチーウィットというジャンルを始めに確立したのがカラワン。80年代にかけて多くのヒット曲をだし、日本でも当時としては珍しい日本盤(平和-サンティパープ)が発売されたほど。またその後でてくる歌手に多大な影響を与えたことでも知られています。日本でもライブを精力的に行い、日本人の中でも熱狂的なファンが数多くいます。そしてその後に出てきたのが、今でもタイでもっとも人気があるプアチーウィットバンド、カラバオ。ちなみにカラバオとはタガログ語で水牛を意味し、水牛の印はバンドのトレードマークとなっています。1981年の登場以来、解散、再結成といろいろありましたが、5作目のアルバム「MADE IN THAILAND」でその人気を不動のものにしました。ボーカルのエート・カラバオの存在感は絶大で、喉の奥から力強く訴えかけるボーカルスタイルは今も昔も変わっていません。アルバムはソロ、ミックス版等を合わせると50枚以上発売されており、人気の高さを物語っています。今年に入ってからバンド活動はかなり盛んになっており、タイ各地でコンサートを精力的に行っています。また11月にはなんと栄養ドリンクのラベルに水牛のシンボルマークが入った「カラバオデーン」なるものも発売されました。なおカラバオは1997年に福岡のアジア太平洋フェスティバルに参加したので、ご覧になった方もいるかもしれません。カラバオの次に有名なのが、ポンシットカンピー。カラバオがロックやタイ独得のリズムであるサムチャーを取り入れた多彩な曲が多いのに対して、カンピーはフォーク1本で切実に歌い上げる曲が多いのが特徴です。何人ものポップス歌手がカンピーの曲をカバーしているのはまだまだ日本人の間では知られてませんが、非常にポピュラーな曲が実はカンピーということがよくあり、間接的にカンピーの曲を聴いているハズ!。タイでは幅広い層に人気があります。他にもカラバオファンなら是非聞いてほしいZUZU(スースー)、期待の新人でこれからが楽しみなNUU METER(ヌー)等数多くのプアチーウィット歌手がいますので、タイポップスファンの方にも是非聞いてもらいたいです。新しい発見があること間違いないですよ!
2002.11月
(第3号)
〜タイの音楽CD状況〜
今回はタイの音楽CD状況について触れてみましょう。タイで昔から一番深刻な問題といえば、著作権を無視した違法なコピー商品の氾濫と言えます。ブランドものの時計、バッグ、洋服はかなり前から氾濫していましたが、コンピュータブームに便乗して、アプリケーションソフトや無許可ビデオのコピー、そして洋楽CDを10枚前後まとめて1枚のMP3として販売するなど、著作権の概念が薄いタイならではの光景がバンコク市内ではあちこちで見られます。タイの音楽CDも例外ではなく、複数のCDをMP3にまとめたり、複数のカラオケVCDを1枚に編集したり、挙げ句にはテレビから取り込んだ映像にカラオケの字幕を付けてVCDにしたりと、大変な状況になっています。タイのことわざで「安いものはよい(正しい)」という言葉があるぐらいですから、タイ人にとって違法コピー商品を買うことは、まったく罪に感じていません。バンコク市内で一番大きなコンピューターのデパートであるパンティッププラザでも、店の半分以上は違法コピー屋という悲惨な状況です。ここには安く買えるという情報を頼りに、タイ人はもとより海外からの旅行客が大勢買いに来るという状況です。海外からの反発も相当あるのにもかかわらず、役人や警察がワイロ欲しさに見るに見かねぬ状況を続けていましたが、最近ようやくタイの音楽CDに限っては規制が入るようになりました。従来の音楽CDの定価を昨年約半分に下げたことや、相次ぐ違法コピー工場の摘発、閉鎖により違法コピー商品撲滅へと一歩前進しました。(ただしメーカはその分利益が減少し、商品の質の低下、生産量の減少等苦戦を強いられているようです)そんな状況をいち早く取り入れて歌ったのがタイの人気ロックバンドLOSO(ローソー)です。アルバム『THE RED ALBUM』の1曲目「パンティップ」では僕は彼女とパンティップなんかには行かないよ!というメッセージが強く込められています。その後様々な歌手によるコピー商品撲滅キャンペーンがあり、そして今年の8月17日,18日の2日間、王宮前広場にて、タイコンサート史上最大級のイベント「THAILAND IP(INTELLECTUAL PROPERTY) FESTIVAL CONCERT」が開催されました。タクシン首相自らコピー商品撲滅を高々と宣言し、無料で行われたコンサートとはいえ、大手レコード会社GRAMMY,RSを中心に総勢100人以上の歌手が参加するという巨大イベントとなりました。アイドル歌手はもとより、ポップス、ロック、プレーンプアチーウィット(生きるための歌)、ルークトゥン、モーラムと音楽ジャンルも多彩でバラエティーに富んだ内容はまさに圧巻!さすがに商売も怠らず、これらの模様を収録したCD,VCDもしっかりと発売になっています。しかしながらテレビで放映したこのコンサートをコピーした違法商品を販売しているまだまだ懲りない業者がいるのも事実です。個人的には商売柄、違法CD撲滅は大賛成ですしこれからも正規版をもっと販売して、少しでもコピー商品撲滅の手助けになればと思っています。
*MP3〜MPEG1 AUDIO LAYER3、音楽圧縮技術のひとつで、通常の音楽データを約1/10に圧縮しながら音質はほとんど変わらないという優れもの。最近ではタイでも昔のアルバムをまとめた正規版の音楽MP3が発売されていて値段も安くお勧めである。
2002.10月
(第2号)
〜タイのヒップホップ歌手〜
今回はタイで急速に盛り上がっているヒップホップについて。アジアのヒップホップといえば韓国が主流ですが、タイも欧米、そして韓国の影響で続々と歌手が登場しています。よくヒップホップとかラップという表現がありますが、いろいろ調べてみるとヒップホップ>ラップでラップというのはヒップホップの音楽形態の一部ということのようです(あまり自信ないですが、、)そんなヒップホップに早くから注目し、第一線で現在も活躍しているのがJOEY BOY(ジョイボイ)とVITAMIN A(バイタミンエー、最近ではタイ人の中でビタミンエーと呼ぶこともあります)。JOEY BOYもVITAMIN Aも元々タイ第3の音楽会社であるONPAで当初アルバムをリリースしてました。まずJOEY BOYですが、ONPA系BAKERY MUSICの中心的人物として活躍し、アルバム『FUN FUN FUN』は100万枚以上のセールスとなりタイ全土に知れ渡ることに。その後も『BANGKOK』『TUA RIT』と快調にヒットを飛ばしました。歌詞が非常に過激なため販売自粛や放送自粛になることもしばしば。その後BAKERYとの確執があり、タイ大手のGRAMMYに移籍し『JOEYBOY RAMA』を発売。同時期にBAKERYからも7年間の彼の在籍中のアルバムの中からベスト曲を集めた『ANTHOLOGY』を発売(個人的にはこちらのアルバムのが好きです)。最近ではCHINA DOLLSやMOSが参加したユニット「CHEER」でも得意のラップを聞かせてくれます。日本のイベントにも参加したことがあり日本人ファンも多く、タイの代表的ヒップホップ歌手=JOEY BOYと言えるでしょう。一方のVITAMIN AはONPAでの売れ行きはいまいちぱっとしなかったものの、RS PROMOTIONに移籍後は、次々とヒットアルバムをだし脚光を浴びるようになりました。振り付けに独特のセンスがあり、名曲「TA DIEW」は当時爆発的なヒットをし、ディスコでは曲がかかると皆お決まりの振り付けで踊っていることも。昨年発売されたベスト版『DANCE WORLD』では1曲目にONPA時代もっともヒットした曲「JUMBO MAMBO」のREMIXバージョンが収録されており、昔からのファンも楽しめる内容になってます。日本にも何度か来日してますが、サングラスを取るとその辺にいるおにいさんという感じで好感が持てます。ニューアルバムが近々発売される予定になっており、新しい曲を早く聴いてみたいところです。
この2人以外に近年話題になったヒップホップ歌手といえば、日本人初のタイ語で歌うヒッポホップ歌手「ERINA」。なんと俳優・あおい輝彦の長女でタイ最高峰のチュラロンコン大学留学経験有りというすごい女の子です。タイ語、英語、日本語でヒップホップという今までなかったパターンはタイでも話題になりました。今年5月には代々木で開催されたタイフードフェスティバルのステージで曲を披露して、日本人にも多少認識された様子。そして女の子3人ユニットの「3G(スリージー)」。発売前は話題性があって連日MVが流れたものの、発売後は爆発的ヒットには至らず今後に期待したいところ。最後に今もっとも流行っているのが「DA JIM(ダジム)」インディーズ時代から熱狂的ファンが多くGRAMMYから実質3枚目のアルバムとなる『DA JIM 3』を発売するとタイ全土に知れ渡りました。最近発売されたライブアルバム『CONCERT MAI TANMADA JIM』では独特な歌い方がSEVENでも一際目立ったAU HARUTAI(ウーハルタイ)もゲスト参加し勢いを感じるライブ模様を観ることができます。日本では一息ついた感があるヒップホップですが、タイではインディーズレーベルでも続々とヒップホップユニットが登場し、今年はピークといったところ。タイ語のヒップホップに興味を持ったら是非聞いてみてはいかが!?
2002.9月
(第1号)

〜活躍するキッズアイドル達〜
サワディークラップ!読者のみなさん、こんにちは。これからタイポップスを紹介することになりましたサワディー原田です。最近ではインターネットの普及でタイポップスも比較的簡単に情報を得られるようになりましたが、日本語でまだまだすべての情報を得ることは難しいところ。そんなニッチな情報をいろいろご紹介していきますのでお楽しみに。1回目の今回はキッズアイドルについて。タイで初めにこの分野を手がけたのが大手音楽会社、RS PROMOTION(アールエス)。初期のアイドルにはJR、GIANT、GANG4、etcがいましたが、この路線人気を決定づけたのがANAN ANWAR(アナンアンワー)。なんとANWAR兄弟は3人とも芸能人で長男はそれほど売れなかったものの、次男のJONI(ジョニー)は伝説のアイドルユニットRAPTOR(ラプター)を経て現在ソロで活躍中、3男のANANは3枚目のアルバム[FAST FOOT]の収録曲、タルン!(びっくり!)が爆発的ヒットし、現在も歌に映画に大活躍してます。そんなRSに負けじとタイ最大手の音楽会社GRAMMY(グランミー)も近年はキッズアイドルの輩出に力を入れ始めたところ。男の子2人組のLUUKHIN(ルークヒン)は軽快なロックポップスで人気を集めました。そしてNATALIE(ナタリー)のファーストアルバム[マルッククックイ]はタイでも大ヒットした映画[ハリーポッター]にひっかけた呪文をとなえるノリノリの曲。2001年の歌謡コンテストで優勝したPLOY(プロイ)は正当派タイポップスで歌唱力が売りのボーイッシュな女の子。[LITTLE VOICE][DEK YIN KAANG NAA TAANG]と立て続けにアルバムを発売して同世代のティーンエイジャー層に人気抜群!というわけで今年、ますますキッズアイドルから目が離せそうもないですね。

   

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