多忙なコンサート活動と平行して神妙な赴きでカラバオメンバーも熱演しているTV時代劇第1章「グラァサティヤ」第2章「マハラート」のテーマソングや劇場映画「ジャオター」「バンラチャン」「オンバーク」など映画関連を主に集めた作品。
カラバオフアンなら映画も1度VCD等で観る事をお勧めします。
「20 PII CARABAO( LIVE )」(2003年) |
2003年2月盛大且つ厳正粛々と開催されたカラバオ20周年記念コンサート
(実際には22周年になる事を念の為付け加えて置きます)
CD2枚組VCD3枚組DVDも発売されています。
20年を私なりに簡単に総括すれば80年初頭どこにもいるような若者達がその時代の背景を写実的な歌詞と独創性のあるリズムでタイロックのスーパーバンドへと伸し上がって行ったのは周知の事実と受け止めるべきでしょう。又時代背景に国軍支配の脱却と国軍支配排除後真の民主政治の確立やいつの時代でも利権あさりを繰り返す土壌と経済成長の拡大により諸問題が持ち上がるたびにカラバオの歯に衣を規せぬ歌にタイ国民も熱狂して問題提議を繰り返した。昨今の単なるロックバンドでは有り得ない偉大さにあらためて皆さんも酔い痴れて欲しいと思ったりしています。ジャケット内のコンサートスナップを見ながら20年以上もなお一線で活動しているカラバオの凄さを新ためて実感した次第です。
クラシックなジャケットもデビュー当時からのファンには嬉しい限り。
又これとは別に20周年を記念して1万個限定特製木箱入りで過去の画像や全オリジナルアルバムプロフィール等が書かれた写真集も入った貴重な4枚組CD(全62曲)も発売されました。
「VOL1 LUNG KHII MAW」(1981年作) |
カラバオ記念すべきデビューアルバム
当時まだアコースティクが主流でしたので、サウンド的には物足りないと
思うかも知れないが青年エットの若き歌声が響き渡る。
タイトル曲LUNG KHII MAW(酔っ払いおじさん)は
1970年代後半アジア各国でヒットし話題になったフィリピーノポップ!
フレディー・アギラのアナック(息子)のメロディーです。
日本でも杉田二郎、加藤登紀子がカバーしてヒットしました。
エットはフィリピンに留学していたので現地で聞いていたのでしょうか?
MON PHLEENG CARABAOは当時ギター小僧必須曲だった。
カラバオの名前はタガログ語(フィリピン現地語)の水牛の意味です。
「VOL2 PAE KHAI KHUAT」(1982年作) |
正式メンバーはまだエート、レック、キョウの3名です。
バンジョー、マンドリン使用でアメリカナシュビル的
なサウンドに仕上がっています。名曲KANCHAA(マリハナ)収録。
タイ裏社会ではマリハナ、大麻が蔓延して社会問題になり始めていました。
若者も珍しさに手を伸ばし、それに伴う悲惨な事件も多発していた時代です。
アルバムジャケットのカラバオトレードマークが裏焼き(逆)になっています。
気づいた人はカラバオ通?かな!マイ・ペンラ〜〜イ!
カラバオを全国区へとその名を轟かせたアルバム。
上流階級から農民、肉体労働者まで、あらゆる人々から支持されました。
タイトルナンバーのワニポックはストーリー性のある詞と
斬新なリズムが相俟って300万枚を記録する。
ベースの刻みが今聴いてもメチャ格好良い。
当時の経済状況や昨今の販売セールスなど皆無な時期に
コピー天国のお国柄を鑑みても300万枚セールスは驚異的な数字です!
「VOL4 THO.THAHAAN OT THON」(1983年作) |
WANIPOKの大ヒットで勢いに載り同年に発売されたアルバム。
マーチバンドの行進リズムで始まるTHO.TAHAN OTTON
軽快なリズムにソロ・ギターフレーズが活きなTHINNERなど
後のコンサートでもよく演奏する曲が多いです。
カラバオ初のライブ盤!80年代前半のライブ音源は今では貴重な存在。
若々しいカラバオの血潮迸るライブを堪能して下さい。
「VOL5 MADE IN THAILAND」(1984年作) |
カラバオを不動のバンドへと導いたアルバムと言っても過言で無い。
VOL1〜4までアコースティクなサウンドからロックへと転換した時期です。
発売時200万枚以上セールスは驚異的です。
タイの良さ、素晴らしさ再発見の意味も込めてMADE IN THAILAND
夜の裏社会に身を置く女性に付いて歌ったNAANG NGAAM TUU KRACOK
カンボジアの悲惨な時代を想像させるREFUGEE(難民)
徴兵制を意識させるBUA LOOIなどなど名曲多数。
1996年オルター・ポップから日本盤も発売されました。
このアルバムからメンバー変更に伴いドラムとキーボードの打ち込みが
80年代のアメリカ的なサウンズのように響き渡ります。
KHAAW DIIの曲のようなバックとの掛け合いは、もっとも得意とする所ですね。
TAANG KHAMOOIのバック旋律は初めての試みかも知れません。
放送禁止扱いになったHAM HIAN収録。
「VOL7 PRACHATIPATAI」(1986年作) |
どのアルバムも1〜2曲は政府放送やFM放送で禁止扱いになってしまいますが
その背景を理解していないと解らないのが難解に思うかも知れません。
コンサートのオープニングでよく歌われる壮大な曲POOが収録されています。
ティアリーのバックコーラスが中々聴き応えのあるアルバムです。
「RUAM PLENG CARABAO」(1986年作) |
セレクトアルバムながらオリジナルアルバム未収録曲を含む。
特に「メイド・イン・タイランド」の英語バージョンを
ティアリーが歌っており必聴の価値あり。
「VOL8 WELCOME TO THAILAND」(1987年作) |
軽快なポップ調の仕上がりになっています。
ドラムの響きと効果的なトランペットが爽快感を与えてくれる。
正しくWELCOME TO THAILAND的な気分!
「CHIWIT SAMPHAN 1,2」(1988年作) |
プアチーウィットの面々も多数出演して盛大に行なわれた無料コンサート!
サブタイトル「イサーン(タイ東北部)を元の緑豊かな大地に戻そう!」
軍の輸送経路や森林伐採などイサーン開発の名目で失われゆく緑豊かな大地!
実質的にはこの頃から個々の活動を模索していた時期です。
巨万の富を得た事とタイ経済の向上による影響も考えられますが。
アルバム的にはTHAP LANG、 MAE SAIなど名曲揃いです。
「VOL10 HAAM JOAD KHWAAI」(1990年作) |
このアルバムが発売される前後からエットは個人のバンドを作りソロアルバムを発売。
他のメンバーも別グループを作りヒット曲を飛ばしていた時期です。
そして遂に1990年暮れに正式に解散が発表されました。
カラバオフアンに衝撃が走り、一つの時代が終わったと実感したのも事実です。
「TEUK・MEUN・MAN・KINJAI」(1991年作) |
デビューアルバム「LUNG KHII MAW」から10枚目「HAAM JAWT KHWAI」
まで発表されたアルバムの中からセレクトした4枚組。
初期時代の軌跡を辿る事が出来ます。
カセットは4枚揃うとカラバオトレードマークが完成します。
「VOL11 VICHA PHAE」(1991年作) |
ワーナーミュージックタイランド移籍第1弾!
デジタル音源技術が進歩したのか?それともワーナーの技術処理が高いのか?
以後アルバム音源クオリティーが上がっていますね。
カラワンのスラチャイ・ジャンティマートンに捧げた「BIK SU」
VCDで本人との競演でも楽しい場面を見せていますね。
ジャケットでもお分かりのように
HARIEY DAVIDSON(バイク)エット、レック御愛用です。
アルバム「CHE YANG MAI DAI」(1997年作)にはズバリ
HARIEY DAVIDSONと言う曲が収録されています。
「VOL12 SATJA SIP PRAKAAN」(1992年作) |
米国制M16自動小銃の乾いた激しい発射音が鳴響く中1992年5月18日未明
鮮血に染まった「天使の都」クルンテープ通称「五月流血事件」
国民の尊い血が流されなければ、政治の民主化は進まないのか?
そんな背景後に発売されたこのアルバム。
その時代を映し出す鏡のように、カラバオのアルバムが存在する。
「PAAK MAA PRASAA PLENG 2,4」(1993年作)(1998年作) |
1992年にVOL1が1995年にVOL3が発売されています。
ライブコンサートPAAK MAAシリーズ!演奏間の語りの部分に注目して欲しいです。
当時の出来事(諸問題)をエキサイトに話しています。
「VOL13 CHANG HAI」(1993年作) |
バンコクでも観光目的で象が働いているのを見かけますが
光化学スモッグと渋滞による車の排気ガスで象使いにも操作不能になり
象が突然ホテルで暴れ結局射殺されたケースがありました。
生き物と自然の関わりをテーマにしたのがCHANG HAIです。
「VOL14 KHON SANG CHAAT」(1994年作) |
政府誘致による北部のラムプーン工業団地での工業用水垂れ流しより
死者まで起きた事件を覚えていますか。日本企業も訴えられています。
タイの「水俣病」と震撼された事件。LUMPOONという曲一度聴いて下さい。
この頃は塩害訴訟、森林伐採、海老養殖問題と日本人には痛恨の窮みです。
「VOL15 CAEK KLUAI」(1995年作) |
冒頭曲KAMNAN PHUUJAIBAANからブラスバンド、バックコーラス構成で
乾いたギターが響き渡り、濃厚かつヘビーなロックナンバーが漂います。
バックコーラスに合わせて思わず口ずさみたくなる曲が多いです。
SAPEETOOでは低音を利かせ歌うエットは初めての試みですね。
「LIVE AT RAENG KHOY」(1995年作) |
正式タイトル名長い為別名で書きました。ONPAから発売されたライブ盤
アコースティクギターとアコーディオンなど簡単なバック構成です。
アットホームな雰囲気で臨場感漂っています。
気合いが入っていないのが以外と良いです(笑)
「VOL16 HAAK HUAJAI YANG RAK KHWAAI」(1995年作) |
結成15周年2枚組CD
久し振りにMADE IN THAILAND時の最強メンバーが揃いカラバオサウンドの真髄ここにあり。
あまり話題にはならないがキーボード、サックス、アコーディオン、フルート、
そしてクルイ(民族楽器)の名手タニットの存在がカラバオサウンドに幅を持たせてきたのは
紛れもない事実だと思う。
警察の幹部候補生(現在は未確認)だったので風貌も他のメンバーとは違いますよね。
「15 PII PAAK MAA」(1996年作) |
アルバム「HAAK HUAJAI YANG RAK KHWAAI」発売後のツアーライブコンサート2枚組。
結成15年の円熟した白熱ライブが堪能できます。
発売当時はジャケット中央部分にお守り(カラバオトレードマーク入り)が付いていました。
お守り欲しさにカセット(CD、カセット色違い)も購入したカラバオマニアも多いはず。
「VOL17 SEN THAANG SAI PLA DAEK」(1997年作) |
サブタイトルがメイド・イン・タイランドから12年。
MADE IN THAILAND40で歌詞を変えて収録されています。
ジャケットも「MADE IN THAILAND」に似せた構成になっています。
SEN THAANG SAI PLA DAEK塩漬けの魚、独特臭みで毛嫌いする人も多いかも知れませんが
イサーン料理メチャ美味しいですよね。
曲の最後にイサーン語(ラオス語)でエット・カラバオが話しているのは興味深い。
「VOL18 CHE YUNG MAI TAI」(1997年作) |
冒頭曲はキューバ革命、ボリビア闘争と一生を革命に捧げたCHE GUWARAに捧げた曲
そして今もビルマ民主化闘争で戦い続けるAUNG SAN SUU KYIに捧げた曲
カラバオの再三の呼びかけ(歌で)に答える事無く亡くなってっから故郷(タイ)へ帰った、KID TUENG BAANの作者アサニー・ポラジャンに捧げた曲LUNG
FAI
楽曲も然る事ながら、題材に優れた才能を発揮するのは、カラバオの凄さでしょう。
「VOL19 AMERICAN ANTAPAAN」(1998年作) |
アジアから単を発した経済危機、タイもバーツ切り下げと以後IMFの管理化
苦しい経済を向かえる事となった時期に発売された
AMERICAN ANTAPAN(ならず者のアメリカ)
「SAATHU CHON」はレッドツェッペリン不滅の名曲「天国への階段」を彷彿させる
ギターコードは傑作です。
「VOL20 PHOO JUU PHOO KIN」(1998年作) |
アルバム「AMEERIKAN ANTHAPHAAN」に引き続き
L.AアーチィストのMOETEN・GOLTENが特別参加しています。
レック・カラバオが参加していないのは不思議。
元アメリカ大統領クリントンと研修生モニカ・ルインスキィー譲との例の騒動を
クリントンに問いただすCHEK BILL。カラワンも同様の題材で歌っていましたね。
1999年から2001年かけてリミックスや企画物のアルバムが20数枚発売されています。
70年代ラテンロックで世界の脚光を浴びたカルロス・サンタナ率いる
サンタナサウンズをモチーフにしています。
LUNG KEE MAOやWELCOME TO THAILANDがラテンロックに乗り最高です
ラテンロックは昨今流行のR&Bとの相性が良いですよね。
一時期解散して3CHA(サムチャー)名義で活動していた頃のベスト中のベスト!
オリジナルアルバムに収録されている
「Made in Thailand」「Welcome to Thailand」「Wanipok」
などの名曲が更にパワーアップして収録されています。
「15 YEARS MADE IN THAILAND」(1999年作) |
メイド・イン・タイランドから15年と銘打ってRACHAANIMELAスタジアムでの
クリスマス・イブに行われたコンサート
2枚組で1枚はアルバム「MADE IN THAILAND」を全曲演奏しています。
コンサートを盛り上げるタイ民族衣装の踊りもVCDで見応え十分です。
「VOL21 SIEM LOW DEU」(2000年作) |
結成20周年メモリアルアルバム。KNCからグランミー傘下第1弾
20周年関連では、エット・カラバオの「KON THAI RU PLAO」も発売されています。
カラバオマニアなら欲しくなるTシャツ等のグッツも発売されました。
壮大な歴史映画BANGRACHANから
BANGRACHAN WAN PENが収録されています。
映画もサンドドラック担当しているので、是非見て欲しいですね。
「VOL22 SAO BEER CHANG」(2001年作) |
社会情勢を的確に捉えるエート・カラバオ。
即座にアメリカ同時多発テロを題材にした「DUEN 9 CHAO 11」
ジョン・レノンの「イマジン」を思い出して下さい。
みんなの願いは一つ。
フルートの調べが楽曲に幅を持たせていますね。
ティアリーの「DAEN REAM」秀作です!
「NAK SU POO YING YAI」(2002年作) |
ドリンク会社「カラバオ・タワンデーン株式会社」
設立に伴い発売されたエネルギードリンク
「カラバオデーン」そしてこのアルバム。
カラバオの歌のように刺激的な「カラバオデーン」
「聴くならカラバオ飲むならカラバオデーン!」
健康を害する恐れがありますので
「聴き過ぎ飲み過ぎ」に十分注意しましょう。
ちなみにジャケットの親指と小指をたてたポーズは
通称カラバオポーズ。
カラオケでカラバオの曲を歌っている時には
このポーズで皆さん盛り上げましょう。 |